個人事業主として開業届を出したあと、「さて、経理は何から始めればいいんだろう…」と手が止まってしまう方は少なくありません。私自身、税理士事務所で日々いろいろな事業者さんの記帳や相談を見てきましたが、開業初期のつまずきポイントはだいたい共通しています。
この記事では、開業直後にまずやっておきたい経理の準備を、順を追って整理してみます。「難しそう」と身構えなくても大丈夫。ひとつずつ、一歩ずつ進めていきましょう。
まず、開業前後の書類を集めておく
経理の第一歩は「記録を残しておくこと」です。開業したばかりだと、つい後回しにしがちですが、次のようなものは早めに集めておくと、あとで自分が楽になります。
- 開業前にかかった費用の領収書(開業費として計上できる可能性があります)
- 事業用の通帳(プライベート口座と分けておくと管理がぐっと楽になります)
- 資本金や元入金として入れたお金の記録
- 事業用クレジットカードの明細
- 取引先とやり取りした請求書・領収書
特に「開業費」は見落とされがちです。開業前に使った打ち合わせ費用や備品購入費なども、事業に関連するものであれば経費にできる場合があるので、レシート類は捨てずにとっておきましょう。
青色申告の申請、期限を過ぎていませんか?
節税メリットの大きい青色申告ですが、これは自動的に適用されるものではなく、「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります。
提出期限は、原則として開業日から2ヶ月以内(1月16日以降に開業した場合)です。この期限を過ぎてしまうと、その年は白色申告になってしまい、青色申告特別控除などのメリットを受けられません。
開業届と同時に出してしまうのが、一番忘れずに済む方法です。もしまだ提出していない、期限が心配…という方は、早めに確認しておくことをおすすめします。
会計ソフト、何を選べばいい?
記帳を進めるうえで、多くの方が最初に悩むのが会計ソフト選びです。代表的なところでは、freee・弥生会計オンライン・マネーフォワードクラウドあたりが個人事業主にはよく使われています。
選ぶときのポイントはシンプルで、
- 銀行口座やクレジットカードとの自動連携ができるか
- 確定申告書の作成まで対応しているか
- 操作画面が自分にとって分かりやすいか
の3点を見ておけば大きく外れることはありません。どれも無料お試し期間があるので、実際にいくつか触ってみて、自分がストレスなく使えるものを選ぶのが一番です。
「自分でやる」か「代行を頼む」か、迷ったときの判断軸
ここまで準備が整うと、次に出てくるのが「これ、全部自分でやるべき?」という疑問です。判断軸として、次のような点を考えてみてください。
- 取引の量:月の取引が数件程度ならご自身でも十分対応できますが、数十件を超えてくると入力だけで本業の時間が削られてしまいます
- 経理への苦手意識:数字や仕訳に苦手意識がある場合、無理に自分でやろうとすると、結局あとでまとめて溜め込んでしまいがちです
- 本業に集中したい度合い:開業したての時期は、本来は営業や商品づくりに時間を使いたいタイミングのはずです。経理に時間を取られすぎるのはもったいないとも言えます
「経理は全部自分でやらなければいけない」というルールはありません。得意な部分は自分で、苦手・時間がかかる部分は代行にお願いする、というハイブリッドな進め方も十分にありです。
まとめ
開業直後にやっておきたい経理の準備を整理すると、
- 開業前後の書類・領収書を集めておく
- 青色申告承認申請書の提出期限を確認する
- 自分に合った会計ソフトを選ぶ
- 「自分でやる」「代行を頼む」を、取引量や時間の余裕で判断する
という流れになります。どれも一度に完璧にやろうとしなくて大丈夫です。まずは1つずつ、できるところから進めていきましょう。
もし「書類は揃えたけれど、入力までは正直手が回らない…」という方は、記帳だけを代行でお願いするという選択肢もあります。開業初年度は特にやることが多い時期なので、負担を減らせる部分は上手に手放していくのもひとつの方法です

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